2006年 04月 11日 ( 2 )

ダヴィンチコードの解説本5冊を斬る?

二年前の5月にダヴィンチコードを読みいきなりはまってしまった。
冒頭の「すべては事実に基づいている」という記述と帯にあった養老先生や荒俣さんの
この作品を絶賛するコメントによってさらにこの一行の持つ意味が私のなかで真実味を増した。
登場人物以外の事実はどこまでが真実なのだろうか?
どれほどの時間を割けばこれらのことを調べつくすことができるのだろうか?
私の疑問は自分で制御できないほどに大きくなっていった。
しばらくして書店で手にしたものが

「ダヴィンチコードの謎を解く」
これはダヴィンチコードの読者の多くが疑問を持つであろう多くの事実が
作品内で登場する順番で可能な限り簡潔に解説されていく。
辞書的に使うと効果的だろうが、これを読むともっと多くのことを深く知りたくなる。
十分な解説をするには紙面が劇的に不足しているので仕方ないが触り程度は知識が得られ、
作品内の事象はほとんど網羅されているのだが、ハードカバーで値段が高いのが不満だ。
ダヴィンチコードの内容では基本的に事実と言えるもの少ないようだ。
それがこの本でのダンブラウンへの回答。

「ダヴィンチコードの真実」
これも上記のものもアメリカでそれなりに売れたものを翻訳したもの。
こちらはダヴィンチコードで取り上げられた事実について専門家のインタビューを多用して
現状で得られる最新の知識を提供してくれる。
ダンブラウンのいう事実は多くの部分でほとんどの専門家によって
フィクションという判定を受ける。
その一方でダンブラウン自身のインタビューもあり、十分に楽しめる。
彼は作品中で登場人物に語らせたことを真実と考えているようだ。
本音か商売上の態度かはわからないが。
「天使と悪魔」を読むとダンブラウンは本音で真実だと主張しているように思う。

「ダヴィンチの暗号を解読する」
これは日本人の著作。
キリストが双子だったという著者の説とプッサンの絵の暗号を解読するという2点に
本の内容の大半を割いているがとんでも本との批判も多い。
プッサンのアルカディアの牧童については謎が多いが結局は他の著者による結論と
大きな違いはなく、暗号解読についての新味はなく肩透かしな感じ。
キリストは磔刑で死亡していなかったなど既に指摘されている説が語られるが
日本人の私たちには「へえ〜」とうなづかせるものはある。
しかし、これらの件はちょっと専門的にキリスト教を勉強すれば知ることのできる内容のようだ。
ただ、内容が著者の私見によりすぎると感じることも多い。

「ダヴィンチの暗号 99の謎」
上記のものと似たタイトルで日本人著作。
ダヴィンチというより「ダヴィンチコード 99の謎」とうべき内容。
しかし、次にコメントする「ダヴィンチコードデコーデッド」をなぞるかのような内容が多い。
出版順ならこちらが後なので、、、、
内容はこれまでの関連本のおいしいところだけ寄せ集めたようなもの。
表面的にダヴィンチコードを知るだけで十分ならこれ一冊でいいかも。
なにせ文庫本で関連本ではサイズも値段も最小だ。

「ダヴィンチコードデコーデッド」
アメリカではだいぶ前に出版されていたもの。
レンヌルシャトーとシオンのことを中心に本の半分を割いている。
「レンヌルシャトーの謎」を読みたいと思いつつ決断できない人はまずこちらを読んでもいい。
十分に伝えきれているかは個人の判断となるが私は十分かと思う。
ピエールプランタールはシオンの指導者として捉え、ドゴール政権との関係も匂わせている。
本当だろうか?そうなるとシオンがフランス政権の影で暗躍していることになる。
「ジャッカルの日」の作者のフォーサイスはシオンと関係があるのか?
なんてことも考えてしまう。
しかし、プランタールの行動自体が怪しい所も多いので彼にまつわる発言や事実は
レンヌルシャトーのソニエールの事実と同列に並べるべきではないだろう。
ソニエールの得たものはなんなのか?
なにが彼に財力を与えただろうか?
後半はキリスト教のローマへの取り込み前後から福音書の成り立ちを駆け足で知る。
時のローマ皇帝はイエスとマリアの血脈の一人と書かれていた。
いくつかの福音書をとりあげながら
前半で出てきたヨーロッパの王族の血脈との関連を臭わせる。
しかし、やりすぎと思えるほどダンブラウンに寄った表現には?
基本的にダンブラウンの主張を肯定的に捕らえているので客観的なものとはいえない。
新書サイズなのはよいがそれでもこの内容で1000円は高いかも。

どれも一冊では不十分な内容でHPで不足を補おうとしている。この点は評価できる。
翻訳物は私を含め日本人のもつキリスト教の知識(ほとんど無いに等しい、私の場合)より
上のレベルで書かれているのでもっと知識を持ってから読むと私の印象も違うだろう。
その点でなんとなく分かりにくく感じる点も多かった。

ダンブラウン自身がシオンかもなんて気もするが、
そもそもシオンは実在するのかな?

『すべては事実に基ずいている』
これこそがダンブラウンの最大のフィクションであり、プロットだ。
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by bonejive | 2006-04-11 23:26 | ダヴィンチコード

ダヴィンチコードデコーデッド

ダヴィンチコード公開を控え、ユダの福音書の発表など大きなことも多い中、
いまさらといった感じで「ダヴィンチコードデコーデッド」の日本語版が出版された。
既に何冊も関連本が出ており、そうとう出遅れの感じだ。
私が2年前にダヴィンチコードにはまってamazonで関連本を検索すると
この本が必ず引っかかってきていた。
ほかにひっかったものは既に翻訳され、最近文庫にもなった。
どうしてこれが翻訳されないかと思っていたが今となってはやっと出たというより
いまさらだしてどうすんのという感じ。
(といいつつ私は買ってしまったが、、、)
内容はレンヌルシャトーとシオン関係で前半を終えると
後半ではキリスト教がローマに受け入れられる過程を非常に簡単にまとめて、
ちょっとしたおまけでテンプル騎士団などもちょろっとあり。
あの分厚く高い本「レンヌルシャトーの謎」を買わずに済ませたい方にはちょうどよい感じ。
http://www.voynich.com/rennes/index.html でレンヌルシャトーの謎については
詳しく書かれているのでこちらを読めばこの本を読まずとも十分な知識が得られる。
これまでに出た関連本は大抵読んでいるので、特に新鮮味はなかった。
強いて新鮮味と言えばこれまでに日本語に翻訳された関連本のなかではこれほどまでに
ダンブラウン寄りで書かれたものはなかったと思う。
「ダヴィンチコードの謎を解く」、「〜の真実」などはダヴィンチコードの下敷きとなった知識を得るのに役にたったがこれほどまでにダンブラウンよりではなかった。
この本の内容はかなり「ダヴィンチの暗号 99の謎」と重複している。
出版順に考えるとアメリカではかなり早くこちらが出ていたので「〜99の謎」はこの本の影響を強くうけていると思う。
同じタイトルのDVDはレンタルするつもり。
amazonで調べてみると本と内容は別のよう。
早くかりてみよう。
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by bonejive | 2006-04-11 22:32 | ダヴィンチコード