ダヴィンチコードと天使と悪魔のトラップ

先日紹介した芸術新潮ではダンブラウンは美術史の専門家の奥さんのアドヴァイスで
物語を盛り上げるためにわざわざ絵画の解釈を過ったものにしている可能性があると指摘していました。私はこの話、結構真実味があるかと思います。

物語の冒頭ですべては事実に基ずくとわざわざ断ることが最大のプロットだと考えていましたが、芸術作品の解釈もわざと物語が盛り上がるように変えていると考えるとスッキリします。(というか、都合良く解釈していると考える方が正しいかも?)

特に鍵となる秘密結社そのものの存在がかなり怪しい。
ダヴィンチコードで言えばシオン修道会。
天使と悪魔ならイルミナティ。
これらは存在自体がかなり嘘臭く、ほとんど存在を証明することができない。
秘密結社だからそれも当然と言う解釈もあり得ますが、
客観的に資料をひも解けば真実は自ずと見えてくるでしょう。
それを承知で物語の材料に上手く取り込んだダンブラウンの作家としても腕前が素晴らしいと思うのですが如何でしょうか。
この2作品に共通する英語で書かれている暗号、
4行詩などダンブラウンが非常に上手く使っていると思います。
この英語の暗号自体が事実でないという主張の大きな柱になっていますが
それ自体がダンブラウンにとってはなにを今さら〜ということかもしれません。
そもそもCERNのマークも6を重ねたように見えますが、
まさか悪魔の6ということはないでしょう。

マーガレットスタバードの著書。
alice-roomさん( http://library666.seesaa.net/ )御指摘のごとく、
ダヴィンチコードはかなりここから引用して話を作っていますね。
最後の方で出てくるソフィーの祖母がラングドンに
「現代の吟遊詩人になれ」というフレーズ。
突然、出てくる吟遊詩人に違和感を感じることはないでしょうか。
彼女の著書を読むとこれがどういう脈絡で登場することになるか理解できます。
天使と悪魔の種本はちょっとよくわかりませんがダヴィンチコードは種本からストーリーの大筋はできそうな気がするほど種本をなぞっています。
実際、レンヌルシャトーの謎を種に荒俣さんは別の話を書いていますし、、、

現在と違い多くの一般市民が字を読むことができなかった時代では
芸術作品は人々を導く意味をもった正に象徴だったようです。
この象徴を上手くつかい歴史ミステリーを紡いだダンブラウンに拍手を送りたいと思いますが、彼のプロットに引っ掛かって何が嘘で何が本当か?ということを議論の対象にするのは?です。
彼の作品から芸術作品や宗教の歴史に興味を持ち、文献をひも解いて行くことがとても楽しいと感じています。
[PR]
by bonejive | 2006-05-31 13:41 | ダヴィンチコード
<< 「石の扉」 加治将一 新潮文庫 芸術新潮6月号「ダヴィンチコー... >>