芸術新潮6月号「ダヴィンチコードの○と×」

芸術新潮6月号「ダヴィンチコードの○と×」
これ超お勧めです。
中世美術史専門の小池寿子さんと20世紀美術史専門の宮下誠さんの対談形式でダヴィンチコードの美術作品の解釈を斬っていきます。これが非常に読者の視点でわかりやすく面白い。
Chaptor1修道層シラス
サンシュルピス教会の写真がページを埋め、ぜひ観たいと思ったローズラインが目の前に!
このチャプターでは俳優の演技を評価しつつ何度もエーコの「薔薇の名前」を引用しています。
やはりこの作品は原作も映画も美術史の専門家には魅力的のようです。
二人の専門家はダンブラウンのエンターテインメント作家としての手腕を高く評価しています。
この章の最後のページはソニエールが防犯システム発動のために落とした絵画の写真。
「聖母の死」横2メートル以上の大きな絵画を一人で倒せたかどうかは?とのこと。
ここで注目すべきはこの絵画。
死の床のマリアの横で泣き崩れているマグダラのマリアが描かれています。
原作では詳しく触れられていませんが象徴としてはかなりの意味がありそうな作品です。
Chaptor2ダヴィンチ解読の姿勢は○だが答えは×
モナリザ、岩窟の聖母、最後の晩餐といったダヴィンチ作品の解釈はほとんど×。
どうやら美術の専門家の奥方の差し金でわざと面白くなるように解釈を変えている可能性もあるようです。すべては事実に基ずくという冒頭の一行が物語を盛り上げるための最大のプロットとすれば十分ありうることですね。まさにダンブラウンに踊らされているわけですね〜!
驚いたのはイエスでなくヨハネがマリアと結婚していたという説。
実際にそれを描いた絵画も出ていて感動しました。
といった具合で非常に面白い対談です。
写真もいいし、ファン必読でしょう。

十字軍の関連でこれまでの関連本ではまったく触れられなかったフランドル地方の話が提示されます。これまた興味深くていいです。
ブルージュにイエスの血を十字軍が持ち帰り聖血礼拝堂に祭られているといいます。
私はブルージュの聖血礼拝堂には何度か行きました。
このときはそのいわれをガイドで読んでへえーと馬鹿にしていましたが
ダヴィンチコードでカトリックの歴史に興味を持つともう一度行ってみたいと思います。
このころ私はこのような聖杯関係のキリストのまつわる聖遺物のいわれはカトリックの至る所にあり、真実とはなんら関係ないかのように思い、ほとんどその歴史などしらないくせに頭から単なる伝承に過ぎないと決めつけていました。
しかし、ダヴィンチコードをきっかけに色々と本を読んでみると歴史の面白さを知り
その地方のいわれも100%のでっちあげではなく史実に基ずいている部分も多くあることに気がつき心から反省しています。

笑ってしまう(カトリックをばかにしているわけではありません)のが15世紀の写本の挿絵でキリストがぶどう酒の絞り木で搾られていて血がしたたり落ちているのですが落ちながらぶどう酒となり、天使が聖杯でそのぶどう酒を受けているもの。これ最高です。

こんな感じで33ページの特集です。写真も大きくてきれいですしお勧めです。
[PR]
by bonejive | 2006-05-27 00:34 | ダヴィンチコード
<< ダヴィンチコードと天使と悪魔の... Newsweek日本語版5/2... >>